- 魅力的な背後にあるもの。
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2024.02.02 Friday
多様性という言葉が今や当たり前になっている世の中で
私自身もそれにより生きやすくなったように思いますが
多様というのは一見寛容に感じますが、ある種無関心とか自己責任とか他人と生きていく上での想像力の欠如というものを
弊害として生み出しているような気もするのです
あ、おはようございます。
今回のこよみのテーマが「みんな違ってみんな良い」だったのでそんなことを考えました。
それにしても、もう今年も1カ月が終わってしまいました。早いなあ。
そんなひと月の間にも色々なことが起こり、1日1日をできるだけ丁寧に過ごしていきたいなと強く思う。
こよみ珈琲【桜梅桃李 おうばいとうり】
ふおお。こんな素敵な言葉があるのか。
松竹梅とか猪鹿蝶とかそんな感じ?←
起源としては13世紀、鎌倉時代前半に編纂された「古今著聞集」世俗説話集、「草木」の項に
「春は桜梅桃李の花あり、秋は紅蘭紫菊の花あり〜」とあったり
同じく鎌倉時代の宗教家、日蓮が無作の意を説いたときに用いられたようで、日蓮仏法には「桜梅桃李」という原理があるそう。
他人と比べることなく、自分らしく個性を輝かせながら種を芽吹かせ存分に咲かせていきましょう。みたいな
桜、梅、桃、すもも の花。
毎年モノトーンや淡い色彩の景色の中で、たとえば梅の花が目に飛び込んでくると
心の奥がぽっと温まったり、ほっとするんです。
もう15年くらい前、それに毎日背中を押されて研修だか出張に行っている時期がありました。
みんな違ってみんないい。
私も沢山の人にそうしてもらっているように、自分という存在が誰かのなにかしらの役に立ったらいいなと思います。
で、そんな素敵なお名前をtomoからいただいたけど、さて味はどうしよう
最初はそれぞれ4種類のお花のようなオリジンを用意してこしらえればいい、と考えましたが
そういうのって結構最近作ってるよなと
ありがちな味になりはしないか
や ば
どうしよう
困りました。しかも1月の後半はえげつない量の焙煎が入っており
出荷してもまた新たな刺客みたいなわんこそばいせん状態。
こんなの作れるかーーーーーーーーーーーーー!
いつもなら作りやすいお題なのに、できないししたくない
珍しく追い込まれましたが
次の日には定期便を出さなければならない1/30の仕事終わり直前
あっ
できた
といきなり閃く。確認のために作って淹れて一発OK。
さあこの豆なんだ?
ちなみにコレ、コーヒーインストラクター1級的な問題です
おーるコロンビア。
厳密にいえば3種類のコロンビア、パーツは4種類。
生産エリアは赤道に近い、標高が高く気温が低い南部のウィラ、ナリーニョ。
ブレンドというと、異なる生産国のコーヒーで作ることが一般的ですが
たまにはこんなのもあっていいかなと。
利点としては同一国のコーヒーを使用しているので、ざっくり国別の味という意味では保証され
統一感(ひっかかりがない)は担保されています
が
下手をするとストレートコーヒーのようになり、ブレンドの醍醐味である様々な生産国の豆を使うことにより複合的で複雑な面白さみたいなものがなくなってしまいます。
また、先に書いた南部の特徴で分かるようにパワーのあるコーヒーたちなので
マイルドさをいかに出すか、という部分が課題になります(パイオニアのコーヒーとしてはマイルドさ大事!)
花々の美しさ、個性の尊重、そして調和。
みんな違ってみんな良いというのはとても素敵な言葉だと思います。
が
みんなそれぞれ好き勝手、自分さえよければいいってやっていい、となると
いつかはいびつなや歪みが生じてきます。
その言葉の難しさ、良い塩梅というものを
今回のこよみを作ることで考えさせられましたよ。